普段あまり映画を見ない僕が見入った映画、ピクサー「WALL-E」。
美しいグラフィックや、Macユーザーの心をくすぐる演出等が主たる理由だが、
一番はWALL-Eの姿そのもの。
数年前の映画公開時にTVCMか何かで初めて見たWALL-Eに凄い魅力と懐かしさを覚えた。
まぁ映画「WALL-E」が好きな人は、当然WALL-E自身にも魅力を感じたであろうが、
もうひとつの懐かしさが、この時点では何なのか分からなかった。
映画館に行く習慣もなく、ここから数年が経過。
今年の春、BS放送で「WALL-E」が放送された。
元々かなり魅力を感じていた映画だけに、録画もしてばっちり視聴。
コミカルで愛らしいWALL-Eに終止見とれつつ、懐かしさの理由を考えていた。
WALL-Eは、約20年前に僕がつくったロボットに似ていたんだ、と。
つくった、と言ってもそれは既製品。
WALL-E似のロボットは、「子供の科学」という雑誌で通販されていた
通販コーナーに小さく載っていた「タロー」の愛くるしい見た目に魅せられ、
親にせがんで買ってもらった。
僕はかなりタローに惚れ込み、タローを主人公にしたマンガまで描いていた。
その後、僕は野球にはまり、ハンダゴテを持たなくなり、
大人になるにつれて自作キットもどこかへ行ってしまった。
ただ「タロー」だけは、部屋の棚にずっと飾られていた。
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2012年、映画「WALL-E」を見て「タロー」の存在を思い出した僕は、
実家の部屋で埃にまみれた「タロー」を引っぱり出してきた。
見る人によって当然意見は分かれると思う。
ウィキペディアによると『ショート・サーキット』のナンバー・ファイブってなロボットに
似てると話題になったという。
ロボットといえば、WALL-Eのような姿形を想像しやすいのかもしれない。
ただ、「WALL-E」を製作したPIXARは、間違いなく「タロー」の存在を知らない。
1990年代前半に日本の子供向け雑誌で細々と販売されていた自作キットのロボット。
それから約20年後の2008年、PIXARという世界最先端かつ世界最高峰のコンピューターグラフィックス会社によって、
『偶然』よく似た姿で映像化された。
こんな偶然を起こしてくれた雑誌「子供の科学」、ロボット「タロー」、PIXAR、そして「WALL-E」に、感謝。
最後に勝手ながら、「WALL-E」と「タロー」、似てるか否かは見た人のご判断に委ねます。